日本の国管理空港で2016年に初めて民営化された仙台空港。日本国内・海外あわせて14都市（香港が就航する12月7日から「15都市」）に就航し、「プライマリー・グローバル・ゲートウェイ」を合言葉に、東北の空の玄関口として世界の空をつなぐ。“地域とともにある空港”を目指し、スポーツ振興やイベントにも力を入れている。
そうですね。仙台空港では国内線到着口の手荷物受取所の壁面に、ベガルタ仙台さんのウェルカムサイネージを掲示させていただいております。さらに1階にあるセンタープラザでは選手や監督ののぼりも立ち並んでいます。県外から来られた皆さまに、「仙台に来た！」ということをどうやって印象付けるか、ご当地のカラーをどう出していくか、は私どもとしても常に考えていますので、ご協力いただいて非常にありがたく思っております。
のぼりは市民後援会やホームタウン協議会の皆さまのご協力で設置しております。すべての選手と監督ののぼりがあって、ベガルタサポーターの方はもちろんですが、アウェイからいらっしゃるサポーターの方々にも「仙台すごいな」と言っていただけているそうです。国内線と国際線のちょうど中間にあるセンタープラザに飾られているので、電車に乗られる方や海外のお客さまにも見ていただいていますね。
印象的だったのが、昨シーズンは早朝の便で出発なので、壮行会も朝の6時台だったんです。それなのにセンタープラザを埋め尽くすほど、非常に多くのサポーターの皆さまにお越しいただきました。早朝にあれだけの人びとが空港の中の一つの場所にいる、ということはなかなかないですし、とても驚きました。今シーズンの壮行会も平日でしたが、選手たちがバスを降りてステージにあがるまで、サポーターの方たちの花道ができていて、本当に愛されているチームなのだと感じました。
9月20日の「空の日」にちなんで仙台空港関係の約50機関が一同に集まり開催されるお祭りです。仙台空港では年間を通していろいろなイベントを開催しておりますが、そのなかでも「仙台空港祭」は1番大きな位置づけで、今年は約5000人ほどのお客さまにご来場いただきました。航空会社の制服を着て写真撮影、空港関係機関によるパネル展示、検疫探知犬の訓練の実演などがあり、子どもたちには飛行機を誘導する「マーシャラー体験」もしていただきました。単なる空港といっても、たくさんの会社が集まって飛行機を動かしていますので、ふだんは表に出ない、陰で支えているお仕事を見ていただける機会となっております。
やはり第一に挙げられるのは、サッカーキャラバンでしょうか。仙台空港が位置する名取市と岩沼市の小学校・幼稚園に、クラブOBやコーチが訪れてサッカーの魅力を伝えるキャラバンで、その活動に協賛させていただいております。仙台空港としましても地域共生のビジョンを掲げており、サッカーキャラバンの理念と共鳴するところが大いにあります。「空港がある町」に暮らす地域のお子さまにとって、この経験をいつか思い出したり、何か誇りにつなげてもらえたら嬉しいですね。
これは多くの方がまずおっしゃると思うのですが、街が本当に綺麗ですよね。私は街歩きが趣味なんですが、場所によって雰囲気が違いますし、歴史もありますし、街なかの建物越しに見える蔵王連峰が非常に美しいです。コンパクトで一通りのものが揃って暮らしやすいですし、それにスーパーマーケットの狭い通路でお互い道を譲ったり会釈することもあって、地域の方々の人柄に当初とても驚きました。なかなか経験がなかったので、本当に素晴らしい街だなと思っています。
ほかの地域だと「個々人が、自分の好きな選手やチームを、それぞれ応援する」という雰囲気を感じますが、仙台はプロ野球なども含め、チームとファンの距離が近く、スポーツが地域に根差している印象ですね。まだまだ仙台歴は浅いので詳しくないことも多いですが、ニュースなどを見て熱狂的なサポーターの姿を拝見しますし、ベガルタ仙台さんは30年の歴史があって、いろんなことに活発に力強く取り組まれているのが印象的です。
空港として「地域の皆さまへの貢献」という部分は、今後も力を入れていきたいと思っており、その枠組みの中で先ほどのサッカーキャラバンをはじめ、クラブの皆さまとできることがあれば積極的に取り組んでいきたいですね。「三つ子の魂百まで」と言いますが、華々しく活躍するチームや応援する街の姿を目にしたときに、いろんな経験や記憶が蘇り、それをきっかけにファンになったり影響を与えたりしてくれることを願っています。
まずはクラブ設立30周年、誠におめでとうございます。関係者の方々のご尽力をはじめ、ホームタウン協議会や後援会、ファン・サポーター、地域の皆さまで育まれてきた30年間であったと思います。これから次の30年に向けて、一層飛躍されることを心より願っておりますし、仙台空港としましても何かお力になれることがあれば、ぜひ応援させていただきたいと思っております。
